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家計の見直しはどこから手をつける?効果的な方法と手順を解説!

家計の見直しはどこから手をつける?

企画・執筆:大泉 聡/証券外務員一種

 
家計の見直しをする方法、やり方!!を知りたいけど、どこから手をつければいいかわからない!
 
物価上昇のなか、貯蓄ができないと悩んでいる人は、決して少なくありません。収入を増やすことはもちろん効果的ですが、簡単なことではありません。
 
一方で、家計を見直して、支出を減らすことは「今すぐ誰でもできること」であり、貯蓄を増やすために効果的です。突然の病気、結婚やマイホームの購入、子供の進学などのライフイベント、自身の老後に備えるためにも、貯蓄を増やすことは重要です。
 
この記事では、「貯蓄のための確認項目」を具体例と共に分かりやすくお伝えします!
 
家計を見直すときにチェックすべきポイントやおすすめの見直し方法などについて解説しますので、「毎月の支出が多く節約できない」「貯蓄が思ったようにいかない」「借金が返済できない」と悩んでいる方は、ぜひご一読ください。

家計の見直しとは?まずやるべきこと

家計の見直しを成功させるためには、まず現状を把握することが重要です。以下のステップで、自分の収支状況を確認しましょう。

ステップ1:家計簿をつける

家計簿をつけることで、「どこに無駄な支出があるのか」が明確になります。アプリを活用すると手軽に記録できます。

ステップ2:支出を分類する

支出は「固定費」と「変動費」に分けます。特に固定費は見直しの効果が大きいため、優先的にチェックしましょう。

固定費の見直し

家計の見直しを行う場合には、まず固定費の内容を精査し、見直すことから始めるのがおすすめです。
 
なぜなら、固定費は「毎月定額」で引き落とされる支出となるため、節約の効果が毎月蓄積され、年間で大きな金額を節約できるためです。
 
また、固定費は生活費全体のうち大きな割合を占めるケースが多いため、削減効率が高くなります。
 
最初は契約を見直すなどの手間がかかりますが、一度見直しを行えば、その後は自然と支出が削減でき、大きな効果が得られます。
 
まずは、ご自身の毎月の支出を洗い出し、固定費の状況がどのようになっているかを把握してみましょう。

固定費とは?

生活費における固定費とは、「毎月や毎年、定額で支出がある項目」です。具体的には以下のような項目が「固定費」に該当します。まずは、ご自身の先月の生活費を書き出してみて、固定費と変動費に分けてみましょう。

家計の主な固定費の一覧
項目 具体的な内容
③居住費 賃料、住宅ローン、住宅関係費
①水道光熱費 水道代、電気代、ガス代
②通信費 スマートフォン通信費、インターネット回線料金
保険費 医療保険、生命保険、損害保険、自動車保険
④サブスクリプション費 動画配信サービス、音楽配信サービス、習い事、ジムなど

①水道光熱費の節約方法

続いては、洗い出した固定費について、一つ一つ見直しを行ってみましょう。
 
下記にそれぞれの項目ごとの見直しポイントをご紹介しておりますので、無駄な支出が発生していないか、同じ満足度のまま費用を下げることはできないか、ぜひ下記のポイントを参考にしながら、ご自身の固定費を見直してみましょう。

生活に必要不可欠な支出である、電気代、ガス代、水道代などの水道光熱費。日々の生活の中で心がけたり、契約しているサービスを見直したりと、比較的低い難易度で節約ができる項目です。
 
2016年の電力自由化以降、電気の小売業への参入が全面自由化され、電力会社やメニューを個人が自由に選べるようになったため、ガスや電気は契約する会社を切り替えることで従来のよりも利用料金を安くできる可能性もあります。
 
水道光熱費節約の主な方法を項目別に紹介しますので、実践できるものがないかぜひ確認してみてください。

水道光熱費節約!効果のある節約術ベスト10
  1. お風呂の入り方を見直す
  2. 料理の仕方を見直す
  3. 洗濯機の使い方を見直す
  4. 冷蔵庫の使い方を見直す 
  5. エアコンの使い方を見直す
  6. お風呂の入り方を見直す
  7. キッチンの使い方を見直す
  8. 家電利用の時間帯・タイミングを見直す
  9. 古い家電を買い替える
  10. 電力会社の切り替え

第10位:お風呂の入り方を見直す

シャワーは流しっぱなしにせずこまめに止めるようにしましょう。資源エネルギー庁の試算では、シャワーの時間を1日1分短くすると、年間約4.38㎥の水道代が節約できるとされています。
 
※出典:資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 
 
節約効果の目安:年間約1,140円の節約!
実施の難易度:★☆☆

第9位:料理の仕方を見直す

野菜の下茹では電子レンジを活用することで、ガスを使って茹でるより早く光熱費も安くなります。これで年間約3,000円の節約になると言われています。
 
また、調理の際の炎は強火ではなく、中火で調理するよう心がけると年間約390円の節約可能です。鍋やフライパンからはみ出た炎は食材に伝わらないため、中火で調理することを心がけましょう。
 
※電気代は公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会「新電力料金目安単価27円/kWh(税込)」を使用。ガス代は東京ガス「一般契約料金(東京地区等)A表」の「基準単位料金142.66円/m3(税込)」を使用
節約効果の目安:年間約3,390円の節約!
実施の難易度:★★☆

第8位:洗濯機の使い方を見直す

洗濯物は少量ずつ毎日洗うのではなく、まとめ洗いをするようにしましょう。資源エネルギー庁によると、洗濯物をまとめ洗いすることで、年間約16.75㎥の水道代が節約できるとされています。
節約効果の目安:年間約4,800円の節約!
 
※出典:エネチェンジ
水道代は、東京都23区の水道料金単価163円/m³、下水道料金単価140円/m³で算出。
実施の難易度:★☆☆

第7位:冷蔵庫の使い方を見直す

季節ごとに冷蔵庫の温度調節を行い、冷蔵庫を壁につけすぎずに適切な放熱スペースを確保することで、年間約2,900円の節約が可能になります。
 
また、利用する際に、冷蔵庫に食品を詰め込みすぎないようにすること(冷凍庫は逆に隙間を開けずに食品を入れた方が節電になりますよ!)、冷蔵庫の扉の開閉回数を減らすことで、年間約1,600円の節約が可能になります。
 
※出典:CDエナジー公式HP
節約効果の目安:年間約4,500円の節約!
実施の難易度:★☆☆

第6位:エアコンの使い方を見直す

エアコン運転時にサーキュレーターや扇風機を使って空気を循環させることで、1シーズンあたり1部屋約3,000円の節約が可能になると言われています。
 
また、室内温度を夏は28℃、冬は20℃設定を目安にすることで、冷房時約940円、暖房時約1,650円の節約になります。
 
加えて、エアコンのフィルターをこまめに掃除することで、年間約990円の節約が可能になります。
 
※出典:資源エネルギー庁 省エネポータルサイト
節約効果の目安:年間約3,580円の節約!
実施の難易度:★☆☆

第5位:お風呂の入り方を見直す

追い焚き回数を1回少なくできると年間約6,190円の節約が可能となります。
 
追い焚きの回数は、家族の入浴時間をなるべくまとまった時間にすること、湯船の蓋を活用することなどで減らすことができます。
 
また、シャワーを出す時間を1日1分短くできると年間約2,070円の節約が可能なため、家族一人ひとりが少しずつ意識を変えられると良いですね。
 
※電気料金を31円/kWhとした場合の追い焚き1回あたりの電気代は46.5円。1kWhあたりの電気料金の目安単価は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が制定している2024年4月時点の電気料金の目安単価31円/kWh(税込)で計算
節約効果の目安:年間約8,260円の節約!
実施の難易度:★★☆

第4位:キッチンの使い方を見直す

資源庁によると、食器を洗う際、手洗いではなく食器洗浄機を使うことで、年間約36.65㎥の水道代が節約できるとされています。
 
家事負担も減り節約もできて一石二鳥ですので是非導入したいアイテムです。
 
資源エネルギー庁公式HP
水道代は、東京都23区の水道料金単価163円/m³、下水道料金単価140円/m³で算出。
節約効果の目安:年間約11,000円の節約!
実施の難易度:★★★

第3位:家電利用の時間帯・タイミングを見直す

電気代には割安な時間帯と割高な時間帯がある契約プランがあります。(ご契約のプランによっては異なります)
 
洗濯乾燥機を使用する場合などは、タイマーを使って電気代の安い時間帯に使用することで、年間約8,500円以上の電気代を節約することが可能になります。
 
また、電気ポットは長時間保温せずに、必要な時に必要なだけ沸騰させるようにすることで、年間約2,900円もの節約が可能になります。
 
最近は短時間で沸かすことができるものも多いため、都度必要な時に沸かすようにしましょう。
 
※出典:エネチェンジ
節約効果の目安:年間約11,400円の節約!
実施の難易度:★☆☆

第2位:古い家電を買い替える

例えば、家の照明器具をLED照明に買い替えた場合、4LDKなら年間約14,800円の電気代節約になります。
 
また、最新のエアコンは昔に比べて省エネになっているため、15年前のエアコンを買い替えた場合、12畳向けで年間約6,021円の電気代節約、10年前の冷蔵庫を買い替えた場合、年間約6,615円の電気代節約、10年前の洗濯機を買い替えた場合、年間約7,785円の電気代節約になると言われています。
 
家電買い替えにはコストがかかりますが、古いものの場合、最新モデルに比べて大幅に電気代がかかっているケースがあるため、10年以上経過している家電がある場合には買い替えを検討してみるのも良いです。
 
※出典:エネチェンジ
節約効果の目安:年間約35,229円の節約!
実施の難易度:★★★

第1位:電力会社の切り替え

2016年4月に電力自由化が実施され、これまで地域ごとに指定された電力会社10社(北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力、 関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力)からしか購入ができなかった電気が、自由に選べるようになりました。
 
自由化後は多くの会社が電力市場に参入し、さまざまな料金プランやサービスが提供されるようになり、ライフスタイルや使用状況に応じた最適な電力会社を選ぶことが可能になりました。
 
電力会社・プランを切り替えるだけで、例えば3人世帯で2024年4月のシミュレーションで年間平均42,000円程度の節約効果が得られるとされています。
 
電気を多く利用する時間帯に合わせてプランを選んだり、ポイントやマイルが貯めたりできるプランや、環境に配慮した再生可能エネルギー比率の高い電気を使うことができるプランなど、さまざまな種類があります。
 
見直しを行ったことがない方はもちろん、家族構成や生活スタイルが変わった場合には、現在のご自身の生活に合ったプランとなっているか、定期的な見直しを行うことで大きな節約につながります。
 
※出典:エネチェンジ 3人世帯でのシミュレーション
節約効果の目安:年間約42,661円の節約!
実施の難易度:★★☆

②通信費のスマートフォン・携帯電話の削減ポイント

契約プランを確認する

まずは加入しているプランが割高になっていないか、不要なサービスが付帯していないかなど、以下のポイントを参考に確認してみましょう。
 
契約時や端末を買い替えた際に、不要なプランを契約してしまっている可能性がありますので、現在必要のないものが付帯している場合には、解約やプラン変更の手続きを行いましょう。

契約プランの見直し3つのポイント
  1. 契約している通信量が余っている
  2. ほとんど電話をしないのに通話し放題のプランに入っている
  3. 利用していない音楽等のサービスが付帯している

格安SIMやサブブランドへの乗り換えを検討する

2021年にSIMロックを設定せずに販売することが義務付けられて以降、大手キャリア以外の通信会社を選択しやすくなり、様々な格安プランが発売されるようになりました。
 
スマホ代は契約するキャリアを見直すとことで、簡単に月々の通信費を削減することが可能です。
 
特に現在大手キャリアを契約している場合には、見直すことで月額利用料を大幅に削減できる可能性が高いためぜひ確認してみてください。
 
また、既に一度見直していた場合も、自身の利用状況が変わっていたり、各社から展開されるプランが変わっていたりすることもありますので、定期的に見直すことで節約できる可能性があります。

携帯キャリアの種類
  1. 大手キャリア:docomo、au、ソフトバンクる
  2. 大手サブブランド:ahamo、UQモバイル、ワイモバイル
  3. 格安SIM:楽天モバイル、LINEモバイル、日本通信SIMなど

格安SIMへの乗り換えは、現在の電話番号をそのまま利用することができますし、通信品質も大きくは変わりません。
 
最初の手続きは面倒な部分はありますが、現在手元に持っているスマホ端末から手続きが可能ですし、一度手続きを行えば継続して大きな節約効果を得られますので、ぜひ見直してみましょう。

不要なオプションを解約する

契約内容を確認し、不要なサービスを解約しましょう。

Wi-Fiの契約を見直す

使っていないオプションがあれば解約を検討しましょう。

インターネット回線の見直し

リモートワークやオンライン授業、YouTubeやNetflix等の視聴に欠かせなくなっている自宅のインターネット回線ですが、回線の月額料金はプロバイダによって大きく異なります。
 
現在契約されているプランが以下のような条件に当てはまる場合には、割高な月額料金を支払っている可能性がありますので、見直しましょう。

自宅のインターネット回線の種類
  1. 月額料金4000円以上の「マンションプラン」に加入している
  2. 月額料金5000円以上の「戸建てプラン」に加入している

安い回線に乗り換える場合、通信品質がいまより悪くなるのではと懸念される方も多いと思いますが、現在主流の光回線は光コラボレーションモデルでNTTのフレッツ光の設備を間借りしてサービス提供していることがほとんどになりますので、乗り換えても通信品質が落ちることはありません。
 
通信速度などを確認のうえ、適切なプランに乗り換えましょう。キャンペーンなどを活用するのも良いですね。

③居住費|賃貸の場合の見直し方法

居住費は家計の中で占める割合が大きく、一度見直しができると大きな効果が得られます。
 
一方で、引っ越しを行うには大きな費用がかかることもあり、長期的な目線で自身の考え方やライフスタイルを鑑み、判断する必要があります。
 
ここでは、賃貸、持ち家それぞれの場合における、居住費見直しポイントについてご紹介します。

家賃の交渉

更新時に値下げ交渉をしてみる。

賃料の低い物件への引っ越しを検討

賃貸物件にお住まいの場合は、まずは現在の家賃がご自身にとって適正か見直してみましょう。ご自身の生活スタイル、大切にしたいポイントなどをもとに総合的に考えることが大切です。
 
更新のタイミングなどで、現在の物件の家賃値下げ交渉などを行うことも効果的です。

引っ越しを検討する場合に重要なポイント
  1. 敷金や礼金、仲介手数料、保証料などの初期費用の把握
  2. 火災保険や引っ越し費用も考慮
  3. インターネット回線やガス会社等の確認

③居住費|持ち家の場合の見直し方法

持ち家を所有し、毎月住宅ローンの返済をしている場合には、以下の方法で住居費を削減できる可能性があります。

住宅ローンを前倒しで返済する

資金に少し余裕がある場合は、住宅ローンを前倒しで返済することによって利息コストを軽減することができます。
 
ローンの前倒し返済には以下2つの方法があります。いずれもメリットデメリットがありますので、よく確認のうえ見直してみてください。

ローンの前倒し返済方法
  1. 期間短縮型:完済までの期間を早めてトータルの利息を減らす方法です。ある程度貯蓄に余裕がある場合、期間短縮型の繰り上げ返済を行うことで、最終的な支払う利息を少なくすることができるので節約になります。
  2. 返済額軽減型:完済までの期間は変えず、毎月の支払額を抑える方法です。月々の支払いが苦しい場合には、返済額軽減型で家計の負担を少しでも軽くするという方法があります

住宅ローンの借り換えをおこなう

住宅ローン借り換えとは、現在の契約より低金利で組むことができる他の金融機関で住宅ローン契約を行い、現在申し込んでいる住宅ローンの残金を一括返済することです。
 
総額を減らせたり、月々の負担を減らせたりすることがありますので、定期的に見直しを行いましょう。なお、借り換えを検討する際は下記のような点に注意が必要です。

住宅ローンの借り換え検討時の注意点
  1. 月の支払額だけではなく、借り換えの際の「手数料」を含めて支払総額が減るかどうか、シミュレーションする
  2. 借り換え後も住宅ローン控除の対象となるか、条件を確認する

契約している金融機関を変えなくても、住宅ローンを固定金利から変動金利に変えるだけで月々の負担が減る可能性もありますので相場状況を鑑み検討して見ましょう。
 
変動金利にする場合は、将来的な金利上昇により支払い総額が上昇するリスクがありますので、今後の市場の見通しなどを鑑みて総合的に判断しましょう。難しい場合にはファイナンシャルプランナーなどのプロに相談するのも良いですね。

④サブスクリプションサービスの整理

月や年単位など一定期間で利用料が発生するサブスクリプションサービスは便利なサービスが多いですが、現在の加入状況を確認し、必要がないものは解約することで簡単に固定費の節約につながります。見直す際の確認ポイントを以下でご紹介します。

契約内容をチェックする

不要なサービスがないか確認。動画配信サービスや音楽ストリーミングなど、複数契約している場合は統一しましょう。
 
【現在契約しているサービスの確認方法】
見直す際の考え方を整理できたら、次は現在ご自身が契約しているサブスクリプションサービスを把握し、必要なものなのか不要なものなのか見直しを行い、不要なものは解約の手続きを行いましょう。
 
・スマートフォンから調べる(iPhoneの場合)
「設定>Apple ID>サブスクリプション」から現在の契約状況を確認できます。「有効」となっているサービスで不要なものがないか確認しましょう。不要なものが登録されていた場合には「サブスクリプションをキャンセル」から簡単に解約ができます。
 
・クレジットカード履歴を確認する
クレジットカード会社のアプリやサイト、郵送物から前月の利用履歴を確認し、サブスクリプションサービスがいくつ契約されているか確認しましょう。利用履歴の名称がわからない会社の場合はインターネットで検索することで素早く特定できるケースが多いです。
 
・銀行口座引き落としを確認する
銀行口座の取引記録を通帳やアプリで確認し、サブスクリプションサービスの引き落としがいくつあるか確認しましょう。

保険の見直し

万が一に備えるために有効な保険ですが、保険に加入しすぎて、保険料がかさみ、普段の生活を圧迫していることもあります。
 
ライフスタイルによって必要な保障内容が変わるため、定期的な見直しが必要です。まずは現在加入している保険を全て正確に把握しましょう。続いて、以下のポイントを参考に、不要な契約がないか見直してみましょう。

保障内容が重複していないかチェック

現在契約している保険の中に、重複した内容のものがあるかもしれません。
 
例えば、損害保険は基本的には被害額と同額しか受け取れないため、複数加入していても受け取れる保険金が増えるわけではありません。
 
被保険者が同じで保障内容が同じ損害保険に複数加入している場合は、解約を検討しましょう。

公的保険でカバーできる部分を確認

公的医療保険で保障できる範囲で足りているにもかかわらず、民間保険に過剰に加入している場合も見直しが有効です。
 
クレジットカードの付帯サービスに医療費補助や損害保障がついていることがありますので、付帯サービスも含めて重複しているものがないか、確認して見ましょう。

ネット保険に切り替えてコスト削減

自身で適切な必要保障額などを計算できる場合には、「ネット保険に乗り換える」というのも有効です。
 
ネット保険は対面の販売に比較し店舗運営費や人件費などを削減できるため、保険料が安くなる傾向にあります。
 
一方、自身で適切な保障額を計算したり、ライフプランシミュレーションを行ったりすることができない場合には、ファイナンシャルプランナーなどのプロに相談することも有効です。

保険料と保険金・保障額のバランスが取れているか

保険料と保険金のバランスについてチェックすることも有効です。
 
掛け捨て型なのに保険料が高額なものや、積立型ではあるけれど解約返戻金や満期保険金の金額が保険料の合計額に見合わないものは見直しましょう。
 
また、死亡保険の必要保障額はライフステージごとに異なります。
 
もし結婚した、子供が独立した、家を購入したのようなライフステージの変化があった場合には、保障額を下げることを検討しましょう。
 
死亡保険は定期的に見直すことで、必要以上の保障のために保険料を払い続けることを防止できます。月々の保険料を安くすることで、貯蓄を増やすことに繋がります。

借金の見直し

貯蓄を始めたいと思った際に借金がある場合には、まずはマイナス部分となる借金を返済する必要があります。
 
少額であれば、これまでご紹介した家計見直しの方法を使い、少しずつ返済していくことで完済できる可能性もありますが、多額な借金でいわゆる「首がまわらない」状況となってしまった場合には、借金を整理する手続きも選択肢となり得ます。

具体的借金の見直し検討事項
  1. 返済計画を立てる:借金の総額・金利・毎月の返済額を整理し、無理のない返済スケジュールを作成
  2. 金利の低いローンに借り換え:現在の金利よりも低いローンに切り替えることで、総返済額を抑える
  3. 任意整理や過払い金請求を検討:利息の減額や過払い金の返還が可能な場合があるため、専門家に相談する
  4. 支出削減と併用する:家計の見直しで捻出した資金を返済に回し、早期完済を目指す
  5. 自己破産の選択肢を理解する:自己破産や個人再生など、返済が困難な場合の法的手続きを知っておく

家計見直しの具体的な手順

家計の見直しを進めるためには、体系的に取り組むことが重要です。以下の手順を参考に、確実に支出を見直しましょう。

家計見直しの具体的な手順
  1. 家計簿をつける(アプリやノートで記録)
  2. 支出を分類する(固定費・変動費)
  3. 不要な支出を削減(固定費を中心に見直し)
  4. 実践後に効果を確認する(1ヶ月ごとに見直し)す

ステップ1:家計簿をつける

まずは家計簿をつけて、収入と支出の詳細を把握しましょう。家計簿をつけることで、どの部分で無駄な出費が発生しているのか明確になります。以下の方法で記録すると効果的です。
 
家計簿アプリの活用:マネーフォワードMEやZaimなどのアプリを使用すると、自動で支出を分類できる。
 
手書きやエクセルを活用:収支を自分で細かく管理したい場合は、手書きやエクセルシートが便利。クレジットカード・電子決済の明細確認:日々の支出を見える化し、何にお金を使っているのかチェックする。

ステップ2:支出を分類する

収支を記録したら、支出を以下の2つに分類しましょう。
 
・固定費:毎月定額で支払うもの(家賃、通信費、保険料、サブスクリプションサービスなど)
・変動費:月ごとに変動する支出(食費、外食、レジャー、日用品、交通費など)
 
この分類を行うことで、削減できる支出を見極めやすくなります。

ステップ3:不要な支出を削減

分類した支出の中で、削減できる項目を見つけます。
 
✅固定費の見直し
・格安SIMに変更して通信費を削減。
・使っていないサブスクリプションサービスを解約。
・電力・ガス会社を比較し、より安いプランに乗り換え。
 
✅変動費の節約
・食費の無駄をなくす(まとめ買い・自炊の活用)。
・レジャー費・交際費を予算内で管理。
・衝動買いを防ぐために「48時間ルール」を活用。

ステップ4:実践後に効果を確認する

見直しを実施したら、1ヶ月ごとに成果を確認しましょう。
 
・削減できた支出額を家計簿でチェック。
・削減が難しかった項目を見直し、追加でできる対策を考える。
・節約した分を貯蓄や投資に回す計画を立てる。
 
これらのステップを繰り返し実施することで、家計の見直しを継続的に行い、無駄な出費を減らしながら貯蓄を増やしていきましょう。

家計管理に役立つツール・アプリ

家計管理をより効率的に行うためには、デジタルツールの活用が有効です。以下のツールを活用することで、簡単に家計簿をつけたり、支出の傾向を分析したりできます。

マネーフォワードME

マネーフォワードMEの特徴
  1. 銀行口座やクレジットカードと連携し、収支を自動で記録
  2. グラフやレポートで支出傾向を可視化する
  3. 固定費・変動費の分類が自動化され、無駄な支出を簡単に発見
  4. 無料版でも基本的な機能を利用可能(連携口座数に制限あり)
マネーフォワードMEおすすめポイント
  1. 毎月の支出が一目でわかる
  2. 無駄な出費を自動的に分類し、節約のヒントを得られる
  3. 収入・支出のバランスを長期間にわたって把握可能
  4. 紙のレシートを簡単にデジタル化できる

Zaim

Zaimの特徴
  1. レシートを撮影するだけで、AIが内容を自動入力
  2. グラフやレポートで支出傾向を可視化する
  3. カテゴリー別に支出を管理できる
  4. 家族と共有できるため、共同での家計管理にも便利
Zaimのおすすめポイント
  1. 紙のレシートを簡単にデジタル化できる
  2. 予算管理機能で、計画的な支出が可能
  3. シンプルなインターフェースで、初心者にも使いやすい

日本FP協会の家計チェックツール

日本FP協会の家計チェックツールの特徴
  1. 公式サイトで無料提供されている家計管理ツール
  2. 収支確認表、ライフイベント表、キャッシュフロー表などがダウンロード可能
日本FP協会の家計チェックツールのおすすめポイント
  1. 無料で利用できるため、コストをかけずに家計改善が可能

家計見直しの成功事例

見直し前と見直し後の家計簿サンプルをご紹介します。
 
項目や見直したポイントなど、是非参考にしてみてください。
 
見本ケース:Aさん夫婦。夫婦2人+子供2人(小学生、幼稚園)の生活で、赤字家計に悩まされており、毎月の赤字から少しずつ借金が増えてしまっていた。月の家庭の手取り収入は33万円。

大分類 項目 見直し前 見直し後
固定費 居住費 60,000 60,000
水道光熱費 25,000 20,000
通信費 25,000 15,000
保険料 20,000 10,000
サブスクリプション 15,000 10,000
変動費 食費 130,000 130,000
日用品費 10,000 10,000
医療費 5,000 5,000
被服費 10,000 10,000
交際費 10,000 10,000
娯楽費 25,000 25,000
美容費 10,000 10,000
合計 342,000 315,000

見直しポイント

水道高熱費:電力会社を初めて見直し、安いプランに乗り換えたことで生活は変えずに月5,000円の節約に成功。
通信費:夫婦ともに大手キャリアを契約していたため、2人とも格安SIMに乗り換えを実施したことで月マイナス10,000円の節約に。
保険料:夫婦共に医療保険が過剰になっていたため、適切な金額に見直し、また月払いとしていたものを年払いに変えたことで月あたりの支払い額を10,000円減額することに成功。
サブスク:夫婦で似たような動画サービスに加入しておりあまり利用できていなかったため見直したことで月マイナス5,000円の節約に成功。今後、利用頻度の低い夫のジムについて他に代替できないかも検討したいと考えている。

見直しの結果

月27,000円の削減に成功しました!生活水準を大きく変えることなく減額ができたため、翌月以降もリバウンドせずに継続できる可能性がとても高いです。
 
固定費見直しだけで、手取り収入に対して月15,000円の余剰がでましたので、まずは借金の返済を。借金返済までは娯楽費や美容費、交際費などの少し我慢が可能な部分を見直しても良いと思います。
 
完済後は毎月1万5,000円の貯金が可能ということになります!

まとめ

この記事では、家計の見直しを行うための具体的な確認項目、見直し方法、ツールのご紹介
 
貯金をしてみたいけど何から手をつけていいか分からない、赤字家計を抜け出せない、借金返済に追われている、そんな方も、まずはご紹介したステップを試してみてください。
 
ご自身の現在の状況をしっかり把握し、ご紹介した見直しポイントをひとつずつ改善していくことで、確実に少しずつ黒字家計に近づくことができます。一度見直せば継続して効果を得られるものも多くありますので、まずは一度着手してみましょう!

この記事の執筆者

株式会社cielo azul

大泉 聡
株式会社cielo azul代表。横浜市立大学卒。東京電力ホールディングス株式会社にて、決算業務や財務の仕事に携わる。会社設立後、約7年間にわたって、借金問題の解決に向けた専門サイト「債務整理相談ナビ」を運営。

この記事の編集者

債務整理相談ナビ編集部

本記事は債務整理相談ナビを運営する株式会社cielo azul編集部が企画・執筆・編集を行っています。当編集部は、債務整理メディア運営に携わり、約7年間にわたって多くの弁護士や司法書士との対談・インタビュー、記事監修を通し専門家と交流し、専門知識と経験を積んでいます。借金問題に直面している方々に対し、信頼できる情報を提供することが当編集部の使命です。毎日信頼されるお役立ちコンテンツを制作中。

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