無期雇用派遣とは?有期雇用や正社員との違い、メリット・デメリットを徹底解説
最近注目されている「無期雇用派遣」という新しい派遣の働き方をご存じでしょうか?
無期雇用派遣は、派遣社員でありながら雇用期間に制限がなく、月額給与やボーナスが支給されるなど、一見安定した働き方のように見えます。
有期雇用との違いや、正社員との比較、さらには無期雇用派遣のデメリットについても気になる方が多いでしょう。
しかし、実際にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
この記事では、一般的な派遣社員や正社員と比較しながら、無期雇用派遣の特徴について詳しく見ていきます。
無期雇用派遣のメリット・デメリット、正社員や契約社員との違い、さらには無期雇用のパートタイム雇用についても取り上げていますので、ぜひ最後までお読みください。
無期雇用派遣とは?
無期雇用派遣とは、派遣会社と「期間の定めのない雇用契約を結ぶ(=無期雇用)」働き方を指します。
これは、派遣社員としての雇用期間に制限がなく、派遣会社との無期限の契約が保証されるという特徴があります。
通常の派遣は「労働者派遣法」によって同じ会社で3年間しか働くことができません。そのため、「派遣で働く」ということは、期間が限られている不安定な働き方として捉えられてきました。
しかし、2015年に「労働者派遣法」が改正されたことにより、新たな働き方として無期雇用派遣が誕生しました。この制度により、派遣社員でも安定した雇用を得ることが可能になったのです。
一般的な登録型派遣では、3ヶ月や6ヶ月ごとに契約更新が必要であり、雇用期間が不安定になることが少なくありません。
一方、無期雇用派遣では、派遣会社と無期限の契約を結ぶため、雇用が保証され、安定した収入を得ることができます。また、月額給与やボーナスも支給されるため、収入の面でも安心感があります。
無期雇用派遣になるための方法は主に以下の2つです。
- 無期雇用派遣の求人に応募する: 派遣会社が無期雇用派遣社員を募集している求人に直接応募します。
- 無期転換ルールを利用する: 5年を超えて反復して更新している派遣社員が無期転換を申し込むことで、無期雇用に移行することができます。この制度により、一定の勤務期間を超えた場合には、無期契約に変更できる権利が発生します。
このように、無期雇用派遣は派遣社員にとって安定した雇用形態を提供する選択肢の一つとなっていますが、どのようなメリットやデメリットがあるかについても詳しく見ていきましょう。
無期雇用派遣と正社員、有期雇用、契約社員、パートの違い
期間の定めのない雇用契約というと「正社員」を思い浮かべる方も多いでしょう。
正社員も確かに期間の定めのない雇用契約を結んでいます。しかし、無期雇用派遣と正社員は根本的に異なります。
無期雇用派遣は派遣会社の正社員として雇用されているものの、派遣先の企業で勤務することになります。この点が、派遣会社自体で勤務する正社員とは異なる点です。
無期雇用派遣は、派遣会社と無期限の雇用契約を結び、派遣先での仕事を行います。一方、一般的な派遣社員(登録型派遣)は、派遣先企業との契約が有期であり、契約が終了すれば雇用も終了する可能性があります。
正社員は会社に直接雇用され、無期限の契約のもとで雇用が保証されており、安定した働き方が可能です。
次に、無期雇用派遣と一般派遣、正社員の雇用条件の違いを簡単に比較してみましょう。
雇用形態 | 雇用形態の概要 | 雇用期間 | 給与形態 |
---|---|---|---|
無期雇用派遣 | 派遣会社に直接雇用され、派遣先で働く | 無期 | 月給 |
一般派遣(登録型) | 派遣先企業との契約が終了するごとに契約更新 | 有期 | 時給 |
正社員 | 会社に直接雇用されて勤務する | 無期 | 月給 |
さらに詳しく無期雇用派遣について雇用形態と比較しながら解説します。
無期雇用派遣と正社員:何が同じで何が違う?
雇用元が派遣会社
雇用元が派遣会社というのが、正社員と無期雇用派遣社員との大きな違いと言っていいでしょう。
正社員の雇用元は勤務先企業ですが、無期雇用派遣社員の雇用元は派遣会社です。
無期雇用派遣社員は派遣会社から出向しているだけなので、働いている場所は同じでも、勤務先企業からすると外部社員になります。
無期雇用派遣と有期雇用の違い
派遣先の仕事が終了しても派遣会社との雇用契約が続く
登録型派遣の場合は、派遣登録をした段階では雇用契約は結ばれません。実際に派遣先の企業で仕事がスタートしたとき(派遣契約期間開始日)に雇用関係が成立します。
そして、派遣先での派遣契約が終了すれば、自動的に派遣会社との雇用関係も終了します。新たに別の派遣先で働く場合はその都度雇用契約を結ぶことになります。(=有期)派遣会社との雇用契約期間が決まっている一般的な派遣の働き方です。
対して、無期雇用派遣の場合は、派遣会社で無期雇用派遣の選考を通過して採用されれば、そのタイミングで派遣会社と雇用契約を結びます。正社員と同じイメージになりますね。
この場合、派遣先が見つかっていない待機期間でも給料が発生することになります。(待機期間中は派遣会社で雑用などの仕事が発生する。)
そして派遣先で派遣契約が終了しても派遣会社との雇用は継続され、新たな派遣先へと派遣されるようになります。(=無期)
給料が月給
登録型派遣の場合は、給与が時給計算なため、年末年始や祝日などの休みが多い月だと手取りの給料が少なくなることがあります。あくまで、働いた時間分だけ給料が発生することになります。
対して無期雇用派遣の場合は、派遣会社の社員として雇われるため、給与が月給になり休みの日数に給料が左右されることはありません。また、月給制のため、派遣先がまだ決まっていない状態の待機期間でも給料が支給されます。
このように、無期雇用派遣と一般派遣、正社員はそれぞれが性質の異なるものとなっています。
無期雇用派遣は派遣会社に採用されるので、契約関係はすべて派遣会社と結ぶようになります。簡単にいえば、派遣会社の社員同等の者として、派遣先に配属される人の事だと考えてください。
- 派遣会社に採用された時点で、派遣会社と期間を定めずに雇用契約が結ばれる
- 派遣先での就業期間が終了しても派遣会社との雇用契約は継続される
- 派遣先が決まっていない待機期間でも、原則給与が支払われる
- 待機期間は派遣会社で勤務や待機を行う場合もあり
無期雇用派遣と契約社員、パートの違い
また、契約社員やパートとの違いも見ておきましょう。
- 契約社員: 契約社員は特定の期間だけ働くことを前提とした契約形態であり、契約更新のたびに雇用の継続が判断されます。無期雇用派遣とは異なり、必ずしも無期限の雇用は保証されません。
- パートタイム: パートは短時間勤務であり、契約期間は無期限の場合もありますが、働き方は短時間・低頻度で、正社員や無期雇用派遣とは異なる待遇です。
無期雇用派遣のメリット
それでは、ここからはメリットとデメリットに分けて無期雇用派遣について詳しく見ていきましょう。
無期雇用派遣の最大の魅力は派遣と名が付きながらながら、未経験で正社員と同じような待遇を受けられることでしょう。
メリット①雇用が保証される
やはり無期雇用派遣として働く最大のメリットは、派遣元に雇用を保証してもらえる点ではないでしょうか?
一般的な登録型派遣は派遣契約の終了後に新たな仕事を自分で探さなければいけません。その間の仕事をしていない期間の収入は0になってしまいます。
対して、無期雇用派遣は派遣元に新たな仕事を紹介してもらえますし、次の勤務先が決まっていなくても給料が発生するので安心ですよね。派遣にありがちな「いつ仕事がなくなるか不安!」が解消されます。
また、無期雇用派遣として長期的なキャリアを作っていくことができることもメリットになるでしょう。年齢を重ねると派遣の仕事は狭まる事が多いのですが、無期雇用派遣ならそのキャリアを元に派遣会社が年齢やスキルに合わせた仕事を考慮して見つけてくれます。
メリット②ボーナスが出る
無期雇用派遣社員になると、賞与が支給される可能性があります。派遣会社によりますが、基本は基本給の1ヶ月分が年に1、2度賞与として支払われることが多いようです。また、就業する地域(東京や千葉、大阪など)によっては地域手当が支給される場合があります。
メリット③交通費が支給される
登録型派遣社員の多くは交通費は時給の中に含まれていていましたが、無期雇用派遣社員には給料とは別に交通費が支給されるようになります。また、交通費は課税対象外となるため、若干ではありますが毎月の税金などが安くなります。
メリット④福利厚生が充実
派遣会社の正社員と同等のものとして採用されるため、福利厚生も手厚くなる場合が多いです。
社会保険・産休・育休はもちろんの事、フィットネスクラブ利用割引やベビーシッターの割引、資格取得支援など、一般的にさまざまな福利厚生を受けることができるようになります。
もちろん、社会保険・有給・産休は登録型派遣でも当然の労働者の権利になります。しかし長期で働くことができない派遣社員は他の正社員に比べて少々申請しにくかったり、申請までの実績に満たないという実態があるのも事実です。その点、無期雇用派遣社員は派遣先の社員とほぼ同じ働き方をするので申請が行いやすくなります。
内容は派遣会社によって異なります。働き手が気持ちよく働くための権利ですので、派遣会社を比較するときに内容は確認しておきましょう。
メリット⑤手厚い研修やフォロー体制が整っている、未経験でもチャレンジできる
無期雇用派遣社員は営業やコーディネーターのほかにも専任のサポートスタッフがつく場合が多いです。
契約の期間なしに長く会社の顔として派遣されることになりますので、派遣会社としても優秀な人材を育てるためにバックアップ体制を整えています。
ビジネスマナーやビジネスコミュニケーションの研修を受けることができたり、パソコンの研修や有料のスクール講座が無料になったりと一般の登録型派遣社員では受けられないようなサービスを受けることができます。
また、無期雇用派遣社員は未経験でもOKな体制が整えられています。
応募者のスキルや経験よりも、やる気や積極性などポテンシャルを重視して採用する派遣会社が増えてきています。そういった未経験の人でも安心して就労に望めるようなフォロー体制を各派遣会社は用意しています。
無期雇用派遣のデメリット
安定した収入と雇用が期待できる無期雇用派遣。しかし、その代わりに縛られることも増えてしまいます。無期雇用派遣のデメリットもきちんと理解しておきましょう。
デメリットしかない!という人も多いですが、メリットがあると感じる方も当然います。
デメリット①派遣ならではの働き方ができなくなる
派遣という働き方を選択した時に優先していたことが、無期雇用派遣ではできなくなる可能性があります。こんな口コミもあります。
働く時間がより拘束されるようになる
派遣の働き方のメリットの1つとして、週3日働きたい、契約の切れ間に長期の旅行に行きたいなど、自由な働き方が挙げられます。
しかし、無期雇用派遣は基本、週5日以上の勤務となり、無期契約ですので契約が途切れることはありません。つまり正社員と同じ働き方になるのです。一つの会社に長く勤める可能性もありますので、勤務先によっては残業が断わりにくくなるということも…
派遣先(仕事)を選べない
一般的な派遣は自分で仕事を選ぶことができましたが、無期雇用派遣は働きたい会社や場所を選ぶことはできません。もちろん、希望職種や希望勤務地等について事前に確認はありますが、希望通りにならないことあることでしょう。
簡単に仕事を辞められない
一般的な派遣はではこの仕事は合わないなと感じたり、人間関係で悩んだ時は更新時に比較的簡単に辞めることができます。
しかし、無期雇用派遣の場合は契約の定めがないので、難しくなります。無理に派遣先を辞めてしまうと、最悪の場合は派遣会社からも退職しなければいけない可能性も非常に高いです。
デメリット②派遣先が転々と変わるorずっと同じ
上記の仕事を選べないに付随しますが、無期雇用派遣は雇用を保証してもらえる代わりに、自分で働く先を選ぶことが難しくなります。一定期間で様々な会社に派遣される可能性があり、新しい環境や業務にすぐに馴染む努力をしなければなりません。逆にずっと同じ職場で働くことになる場合もあります。
また、派遣先が決まるまでの待機期間は派遣会社のお仕事を手伝ったり、超短期で急遽ヘルプお仕事に派遣されることもあります。ひとつの場所に落ち着きたい、という人には無期雇用派遣は向かない環境かもしれません。
デメリット③採用試験や面接などの選考がある
無期雇用派遣は一般的な登録型派遣と違って、応募後に書類選考があり、選考に通った人だけ試験および面接を受けることができます。
正社員の採用試験や面接と同等のものと考えていいでしょう。派遣会社の顔として様々な派遣先に行く事になるので、どの派遣先に派遣できるようなどの職場でも、即戦力として働くことができる能力が高い人材を求めているからです。
テンプスタッフ:説明会、SPI、面接、最終選考
スタッフサービス:説明会、面接(エリアによって選考フローが異なる)
アデコ:書類選考、適性検査(能力・性格・ストレス診断)、面接
パソナ:一次(書類)選考、二次(適性検査)選考、三次(面接)選考、最終選考
このように選考内容や採用基準は登録型派遣と比べるとかなり厳しくなります。無期雇用派遣は若い力や即戦力が求められるので、社会人経験が無い方や30歳以上の方は選考に漏れてしまう可能性が高いでしょう。
デメリット④出世が難しい
正社員は職場内で出世できるチャンスはありますが、無期雇用派遣社員は基本的に出世できる可能性が低いです。なぜなら、昇給を希望する際の交渉相手が派遣先ではなく、派遣会社だからです。派遣会社によっては職場が転々と変わることもあります。
また、一般的な登録制派遣社員の場合、能力が高くて派遣先企業からの評価が高い場合は、時給が上がりやすい事に対して、無期雇用派遣社員は給料が上がりにくいと言われています。
無期雇用派遣の場合は、派遣先で就業していなくても給料が発生するため、派遣開始の時点で企業への請求金額を最初から高く設定しているケースが多いです。そのため、派遣会社側も企業との請求金額アップの交渉が行いづらくなります。
ただし、アデコやスタッフサービスなど一部派遣会社では昇給制度があり、ランクに応じて給与が変動するシステムを設けている会社もあります。
デメリット⑤契約が急に切られる可能性がある
無期雇用派遣社員といえども派遣です。派遣先の会社の経営状況が悪くなったら、正社員よりも先に切られてしまう可能性が大です。
正社員と同じように常に向上心を持ってスキルアップに挑むようにしましょう。また、実際にそうなってしまったとしても、派遣だからという割り切りが必要になります。
無期雇用派遣はどんな人に向いているのか?
無期雇用派遣は、柔軟性を求める人にとって最適な選択肢です。以下に、無期雇用派遣が特に向いている人の特徴を挙げてみましょう。
- 柔軟な働き方を希望する人
- 就業の不安定さを避けたい派遣社員
- キャリアチェンジを考えている人
- スキルアップを目指している人
詳しく見てみましょう。
柔軟な働き方を希望する人
正社員として働くことに抵抗がある、もしくは家庭の事情や個人的な理由でフルタイムの正社員として働くことが難しい人にも無期雇用派遣は魅力的です。
派遣先の仕事が終了しても、派遣会社との雇用契約が続くため、仕事の継続性を保ちながらも新しい職場での経験を積むことができます。
就業の不安定さを避けたい派遣社員
一般的な登録型派遣は契約期間が決まっており、更新がなければ雇用が終了してしまうリスクがあります。
一方、無期雇用派遣は派遣会社と無期限の契約を結んでいるため、派遣先の契約が終了しても次の派遣先が見つかるまで雇用が継続されます。
このため、契約の更新に不安を感じることなく、安定して働き続けたい派遣社員に向いています。
キャリアチェンジを考えている人
無期雇用派遣は、異なる職種や業界での経験を積む機会を提供するため、キャリアチェンジを考えている人にとっても良い選択です。
派遣先の職場環境を経験しながら、自分に合った業界や仕事を見つけることができるので、柔軟にキャリアを考えたい人に適しています。
スキルアップを目指している人
無期雇用派遣では、派遣会社からのサポートを受けながら、異なる業界や職種で経験を積むことが可能です。
未経験の職種に挑戦しやすく、スキルアップを目指してさまざまな職場で実務経験を積むことを希望する人にも向いています。
無期雇用派遣社員としてのキャリアパス
無期雇用派遣社員として働くことは、キャリア形成の一つの選択肢です。以下は、無期雇用派遣社員としての一般的なキャリアパスの例です。
派遣先での直接雇用への移行
無期雇用派遣社員として勤務している中で、派遣先から直接雇用のオファーを受けることがあります。この場合、派遣社員から派遣先企業の契約社員や正社員として働くことが可能になります。
無期雇用派遣になってしまうと正社員にはなれない?
無期雇用派遣は派遣会社に無期限で雇用契約が結ばれる派遣社員の事です。でも、長期的に派遣先で働いていたらそこで正社員になりたくなる事もあるでしょう。
派遣先から正社員としてのお声もかかる事はなくなってしまい正社員になる道は断たれてしまうのでしょうか?
安心してください、そんな事はありません。
無期雇用派遣であっても派遣先で直接雇用の可能性はあります。しかし、基本的には登録型派遣よりも難しいと思っていてください。
後ほど述べますが、無期雇用派遣になるには正社員同様の選考を受けて採用され、優秀な派遣社員を育てるため派遣会社が全力でバックアップしてくれます。そこまで手にかけた優秀なあなたを、出来れば手放したくない、というのが派遣会社側の本音でしょう。
実際に無期雇用派遣から正社員になりました、という例も非常に少ないのが実態です。
ただし、最初から正社員としての就職を後押ししている派遣会社もあります。直接雇用の方針は派遣会社によって違うので、事前にチェックしておくといいでしょう。
例えば、派遣先での直接雇用を推進しているのが明確なのがテンプスタッフの「funtable(ファンタブル)」という無期雇用派遣サービスです。
funtable(ファンタブル)では最終的には派遣先で直接雇用されることを目指して就労させるため、派遣社員のモチベーションが高く保つ事ができるでしょう。
しかし、funtable(ファンタブル)以外の大手派遣会社、例えばリクルートスタッフィングやアデコなどは正社員雇用について特に明記されておらず、積極的に派遣先へ直接雇用の提案はされていないのが現状です。
異なる業界や職種への転職
無期雇用派遣を通じて得た経験を活かし、異なる業界や職種へキャリアチェンジすることも選択肢の一つです。
派遣会社内でのキャリアアップ
無期雇用派遣社員として派遣会社に長く在籍することで、派遣会社内でのキャリアアップを目指すこともできます。
例えば、派遣社員のサポートを行うコーディネーターや、キャリアカウンセラーなどの職務に就くことが可能です。
無期雇用派遣の選び方
無期雇用派遣はどこの派遣会社にも該当するわけではなく、現在は、大手派遣会社を中心に無期雇用派遣の制度が整えられています。
無期雇用派遣になれるんだったらどこでもいいや、と思う人もいるかもしれませんが、ちょっと待ってください!無期雇用派遣は派遣会社によってそれぞれ特色が異なります。
特に先に述べた正社員への推進や福利厚生など派遣会社によって違いが大きいです。ですので、これから無期雇用派遣を考えている方は、各派遣会社の特徴をしっかりと把握して、自分に合った会社を選ぶ必要があります。
派遣会社ごとの無期雇用派遣の特徴の特徴
以下で大手の派遣会社が運営している4つの無期雇用派遣のサービスの特徴をまとめています。
マイナビ「マイナビキャリレーション」の特徴は?
マイナビキャリレーションの大きな特徴は以下の通りです。
マイナビキャリレーションでは、無期雇用派遣社員として安心して働けるよう、個別に相談できる体制が整えられています。
・就業後、直接雇用を目指したい方へのサポート
マイナビキャリレーションでは、就業後に派遣先での直接雇用を目指す方へのサポートも提供しています。キャリアアドバイザーが個別に面談を行い、キャリアパスの相談や直接雇用に向けたアドバイスを提供することで、派遣先での正社員登用のチャンスを広げる支援を行っています。
・より専門的な事務職にチャレンジされたい方へのサポート
専門スキルを習得するための研修プログラムや資格取得支援を提供し、業務に必要なスキルアップを図ることで、より高度な事務職に挑戦できる環境を整えています。
また、キャリアアドバイザーが個別に相談に乗り、適切なキャリアパスをアドバイスすることで、スキル向上を目指す派遣社員をサポートします。
また、マイナビキャリレーションのキャリアアドバイザーにインタビューをして、他社にない強みや特徴を聞いてきた当メディア独自の取材記事がありますので参考にしてください。
テンプスタッフ「funtable(ファンタブル)」の特徴は?
テンプスタッフの無期雇用派遣は「funtable(ファンタブル)」という名前でサービスを行っています。「funtable(ファンタブル)」の大きな特徴は以下のようになります。
テンプスタッフが行っている無期雇用派遣の1番の特徴は、派遣先の企業で「直接雇用」させることが目標となっていることです。無期雇用派遣は無期限で派遣で働けるというメリットがありますが、その先の事について明確にしている派遣会社はテンプスタッフの「funtable(ファンタブル)」以外には今の所ありません。
・事務職未経験者を対象
テンプスタッフ「funtable(ファンタブル)」は事務職専門の無期雇用派遣を採用しています。特に販売や接客業などの異業種から事務職に転職してみたい、という方も積極的に採用していて、未経験の人でも事務のキャリアを積む機会としてサービスを受ける事ができます。
・個人の適性や目標に合わせた研修プログラムを受けられる
3日間におけるビジネスマナーやメール研修などの独自の研修プログラムの他に、PCの基本操作だけでなく語学やITスキルも習得できる2600もの講座を受講する事ができます。無期雇用派遣として働きながら、基本的なものから専門的なものまで様々なスキルを身につける事ができます。
スタッフサービス「ミラエール」の特徴は?
スタッフサービスの無期雇用派遣は「ミラエール」という名前でサービスを行っています。「ミラエール」の大きな特徴は以下のようになります。
スタッフサービスはどの大手派遣会社よりも早く、無期雇用派遣を始めました。そのため公式サイトで公表している実績派遣人数は2023年12月時点で9,400人以上と、他の大手派遣会社と比較しても高い数字と言えます。実績がある=ノウハウがしっかりしていて、バックップ体制もしっかりしている事は、これから無期雇用派遣を考えている方にとって、ポイントとなるでしょう。
・内定後に無料で受講できる研修制度が充実
たとえPCのレベルが文字入力レベルでも、自分のレベルに合わせたOA講座などを無料で受ける事ができます。エクセル、ワードなどのPC操作からビジネスマナー、そして職種別の研修など、未経験でも安心して就労できる環境をつくる事ができます。
・基本給は毎年改定、実績に応じて給与が上がる仕組み
年1回「クラス評価制度」という評価が行われ、頑張った分は昇給という形で給与に反映されるのがスタッフサービスの無期雇用派遣の特徴です。評価制度が明確になっているので、仕事に対するモチベーションもアップしますし、自主的にスキルアップやキャリアアップなどに励む事ができます。
マンパワー「エムシャイン」の特徴は?
マンパワーの無期雇用派遣は「エムシャイン」という名前でサービスを行っています。「エムシャイン」の大きな特徴は以下のようになります。
世界最大の派遣会社マンパワーのエムシャイン。世界最大規模の派遣会社の無料の研修・サポートを受けながら、事務職への転職を強烈にサポートできます。元アパレル、保育士など様々な職種の方が、事務職で働いています。
・外資系や大企業の事務職が非常に多い!
超大企業の事務職として働く方が多いです。マンパワーは、世界で派遣事業を営んでいるため、日本にある外資系企業、日本の超大手企業の職を多く保有しています。
無期雇用派遣会社の特徴まとめ
テンプスタッフ、スタッフサービスを含む大手派遣会社の主な特徴を簡単に図にまとめてみました。
マイナビワークス 「マイナビキャリレーション」 |
・大手のマイナビが運営 ・専任のキャリアアドバイザーが内定後から一貫してサポート ・無期雇用派遣後発組で現在力を入れている |
テンプスタッフ 「funtable(ファンタブル)」 |
・他の派遣会社にはない、派遣先からの直接雇用を徹底サポート ・事務職未経験者を対象 ・個人の適性や目標に合わせた研修プログラムを受けられる |
スタッフサービス 「ミラエール」 |
・どこよりも早く若年層向けの無期雇用派遣を始めたため、実績が豊富 ・内定後に無料で受講できる研修制度が充実 ・基本給は毎年改定、実績に応じて給与が上がる仕組み |
マンパワー 「エムシャイン」 |
・世界最大級のマンパワー社の無期雇用派遣ですので、英語を使うお仕事や、大手外資企業の求人が豊富 ・未経験でも経験が少なくても、内定後に無料で受講できる研修制度が充実しているので大丈夫 ・勤務先は大手企業中心 |
アデコ 「キャリアシード・ハケン2.5」 |
・実務経験必須なため給料が高い ・スキルに応じて給与や派遣先が変わる ・給与体系が10段階のステージ、自分次第で給与アップが狙える |
比較してみると、どこも同じように思える派遣会社ですが、それぞれ異なった特徴がある事が分かると思います。
無期雇用派遣の雇用が始まった事により、これまで登録型派遣として派遣会社に登録していた派遣社員が、無期雇用派遣社員として他社に奪われる可能性が出てきました。
そこで、各派遣会社は優秀な派遣社員が他社に行ってしまわないように、様々な特色や特徴を出して、自社をアピールしているのです。派遣会社も優秀な派遣社員を囲い込んで育てる事ができなければ、業界を勝ち残れないので無期雇用派遣の採用にはより力を入れているところが多いです。
まとめ:【結論】無期雇用派遣はやめといた方がいい!目指すなら正社員を目指した方が早い
ここまで読んでみていかがだったでしょうか?確かに、無期雇用派遣社員になることによって雇用の安定を望むことができるでしょう。
しかし、その安定は正社員ほど確かなものではなく、一般的な登録型派遣より自由が効かない。正直、中途半端なものになってしまっているのが実態です。
本当の意味で安定を求めるなら、やはり正社員として転職するのが一番です。安定給、社会的地位を望むならやはり正社員に勝るものはありません。無期雇用派遣だと正社員と同等に働いているのに、派遣社員として扱われてしまい悶々とすることもあるかも知れません。
そして、時間を自由に使いながらお金を稼ぎたいという方は、テンプスタッフのような一般的な登録型派遣の方が合っていると思います。なぜなら正社員ではなく派遣に興味があるという時点で、自由がきく登録型派遣のメリットに惹かれているはずだからです。
もし派遣から正社員になりたいのであれば、紹介予定派遣など正社員が約束されている雇用形態を選ぶべきです。安定も目指しても、自由が欲しくても、どちらにしても現状の無期雇用派遣は中途半端になってしまうのです。
無期雇用派遣社員はサービス業や接客業などの異業種で働いていた人が、将来に不安を感じて「事務経験を積みたい」と思った場合に、未経験でも現場でキャリアを積むことができるのでメリットが大きいかも知れません。
しかし、それ以外の方で安易に「雇用が安定するから」という点だけで決めてしまわないように、優先すべきことは何なのか、自分にはどの働き方があっているのか考えてみましょう。
派遣会社のおすすめ総合ランキング
当サイト推奨の最新派遣会社の総合ランキングは、実際の派遣登録者からのインタビュー・評判、口コミで作成されています。
派遣会社の強みや評判を総合的に確認できるので確認して見るといいと思います。
この記事の執筆者
noriko
大学卒業後、商社に正社員で就職。退職後は派遣社員として営業事務や一般事務などの事務職を中心に、大手会社や財団法人に就業。派遣業務を過去8年間従事した。イベント関連などの短期派遣の経験もあり。登録済みの派遣会社はスタッフサービスなど大手を中心に10社以上。プライベートと仕事の両立のために派遣という働き方を選択していた。