派遣とパートの違いは?どっちがいい?主婦におすすめなのは?

派遣とパートの違いは?主婦はどっちがいい?

最終更新日 2023/12/29
執筆者:noriko

 
子育てが落ち着いた、新しく仕事を始めたいなどの理由から、パートや派遣での仕事を探している方も多いのではないでしょうか。
 
でもいまいちパートと派遣の違いが分かっていない、という方も多いと思います。実は、同じ職場で働くとしても、パートと派遣では様々な違いがあるんです。
 
このページでは、主婦の観点からパートと派遣の違い、そのメリット・デメリットなどをまとめます

目次

派遣の特徴

「派遣」とは、事前に派遣会社に登録し、派遣会社を通して派遣先で働く労働者のことです。
 
派遣会社が給与の支払いを行ったり、仕事の紹介や雇用条件について派遣先企業と交渉をしたりと、全面的にサポートしてくれます。雇用契約は派遣先が決定してから初めて契約が成立して、派遣期間終了と同時に雇用契約も終了します。
 
また、派遣は同じ勤務先で働くことのできる期間は3年とされています。ただし、派遣契約終了後に、勤務先との直接雇用になる可能性もあります。
 
派遣の主な特徴として、給料が高い、業務内容が明確などの特徴があります。
 
大手派遣会社のアデコでは、派遣とバイト・パートとの違いについて、以下のように記載しています。
 

バイト・パートが直接雇用のパートタイム労働者であるのに対し、派遣は間接雇用の派遣労働者に分類されます。
 
間接雇用とは、給与を支払う会社と就業時の指揮命令を行う会社が異なることを指します。派遣労働者は給与を支払う派遣会社と契約を結びますが、業務の指揮命令は、就業先の企業から受けます。

出典:アデコ

パート、アルバイトの特徴!どっちがいい?


「パート」とは、フルタイムで働く労働者に対し、一定の決められた時間、短時間で働く労働者のことです。
 
法律では「1週間の定められた労働時間が、通常の正規社員よりも短い・または1日あたりの労働時間が同じでも、労働する日数が短い者」をパート(パートタイマー)として定義しています。
 
同じ短時間労働者を指す言葉で「アルバイト」がありますが、実はアルバイトとパートの違いは法律上はありません。主婦向けの仕事はパート、学生向けの仕事はアルバイト、と求人側が呼び名を使い分けているだけに過ぎません。
 
一般的には学生を対処としているアルバイトは、学校や本業のある期間が限られている人を限定的な意味合いで雇用されることが多いです。それに対し、パートは長期に渡って雇用される事が多いようです。
 
厚生労働省では、パートタイム労働者とは以下のように定義しています。
 

パートタイム労働法(「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」)の対象である「短時間労働者(パートタイム労働者)」は、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」とされています。
 
例えば、「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託」「契約社員」「臨時社員」「準社員」など、呼び方は異なっても、この条件に当てはまる労働者であれば、「パートタイム労働者」としてパートタイム労働法の対象となります。

 
パートの主な特徴として、勤務時間が選びやすい、未経験でも挑戦しやすいなどの特徴があります。詳しくは以下で説明します。

派遣とパートの違い!パートと派遣はどっちが上なの?

派遣とパートの違い

では、派遣とパートの違いについて、大きく4つに分けて違いを解説していきますが、雇用主の違いなど大きな違いがあるものの、どちらが上ということはありません。自分に合った働き方ができる方法を選びましょう。

雇用主の違い

派遣とパートでは雇用主が違います。
 
パートは、自分で決めた勤務先に直接志望して採用されたら、その企業が雇用主になります。対して派遣では、派遣会社に登録後、自分のスキルや都合に合った勤務先に派遣されます。
 
雇用主が違うと、雇用に関する交渉をする相手も異なりパートは勤務先、派遣は派遣会社になります。
 
例えば、勤務時間や時給の話などを相談するとき、パートは雇用企業である勤務先に直接伝えます。派遣の場合は派遣会社の担当者に話をするようになり、その担当者が派遣先企業に伝えることになります。
 
給与もパートの場合は勤務先から、派遣は派遣会社からそれぞれ給与が支払われることになります。

雇用期間の違い

派遣とパートでは雇用期間が違います。
 
派遣は、派遣会社と派遣先企業で契約書を交わす際に期限が設けられていて、定期的に更新が必要となります(最長3年)。
 
この更新時に勤務先から契約期間を更新しない旨を告げられる場合もあります。逆に自分都合で更新しないという選択をすることも可能です。更新しない場合、その勤務先での就業は終了となり、新たな派遣先を探すこととなります。
 
対してパートでは、特に期限が決められているわけではなく、基本的に同じ職場で長期間働くことができます。

業務内容の違い

派遣とパートでは求められる業務が異なります。
 
派遣は、基本的に契約書面で交わされた範囲内の業務のみを行うことになります。もし契約外の業務指示があったら、派遣元の会社の担当者に確認が必要となります。
 
対してパートでは、企業が直接採用するので、求人時の業務がメインになりますが、枠にとらわれない幅広い業務を指示されることがあります。正社員同等の業務を任せられる場合もあるので、能力や職場の状況に合わせて柔軟な対応が求められます。

福利厚生や給与の違い

派遣とパートでは福利厚生を受ける先が違います。
 
派遣は、派遣会社の福利厚生を受けることができます。大手派遣会社の場合、充実した福利厚生を受けることができます。研修制度が整っている派遣会社もあり、ブランクがあっても安心です。
 
対してパートでは、勤務先企業が定める一定の条件を満たせば、その勤務先企業の福利厚生を受けることができます。しかし、一定の条件に満たない場合は福利厚生を受けられない場合があります。
 
給与は期間が限定されていて、即戦力として期待される派遣の方が、時給が高めに設定されていることが多いようです。一般的に賞与や退職金は、パートと派遣どちらにもありません。

派遣として働くメリット・デメリット!主婦にも大きなメリットが!

派遣社員として働くメリット・デメリット

上記のように、パートと派遣は雇用契約が異なるので、同じ職場で働いたとしても様々な違いがあります。自分の希望していることと異なってしまわないように、しっかり理解しておきましょう。
 
ここでは、派遣として働くことのメリット・デメリットを主婦の目線で記載しますが、どの方にとっても共通する点になります。

派遣のメリット1:時給が高い

twitterでの口コミのように、一般的に派遣の方が、正社員やパートよりも時給が高いことが多いです。
 
派遣は、前提として企業から求められるスキルを持つ人が即戦力として期待されているので、時給も高めに設定されています。また、時給の交渉は派遣会社が行ってくれます。
 
特に企業から需要の高いスキルや経験を持っている人材であれば、平均的な時給よりも良い条件で働くことができます。

派遣のメリット2:仕事内容を選んで働ける・勤務地や働き方も選べる

派遣の場合、最初に交わした契約内容以外の仕事は基本やらなくて良いことになっています。したがって、仕事の範囲が明確で、当初の説明と異なる仕事や苦手な仕事を急にやらされる心配はありません。
 
もちろん、100%記載された範囲内にはなりませんが、自分がここまではおかしい!と思えば、派遣会社を通じてクレームを言うこともできます。
 
派遣の雇用主は派遣会社なので、基本的に勤務先は派遣会社を通さないと契約書以外の指示はできないのです。繰り返しになりますが、もし、派遣なのに契約以外の仕事を指示されたら、派遣会社に相談しましょう。

派遣のメリット3:サービス残業はない

当初から残業なしの仕事を選べば、基本的に残業はありません。しかし、了承を取る形で残業を頼まれる場合があるかもしれません。
 
その場合も、事前に残業のお願いがあるのが基本ですし、もちろん残業代も出ます。

派遣のメリット4:トラブルや交渉事は派遣会社が対応

派遣先でトラブルにあってしまった場合も、派遣会社が間に入って対応してくれます。
 
勤務上の労働条件など、交渉ごとや気になることがあれば、派遣会社のスタッフがフォローしてくれるので、安心して働くことができます。

派遣のデメリット1:長期勤務ができない

派遣社員は契約期間が決められているため、気に入った職場でも契約が終了してしまえばその職場では働くことができません。また、派遣は労働者派遣法によって、同じ職場で最長で働ける期間が3年と定められています。
 
以上のことから派遣は同じ環境で長く勤めたい方にはオススメできない働き方と言えるでしょう。
 
ただし、派遣の契約期間終了後に、その企業から直接雇用されるケースもありますし、twitterの口コミのように、いい職場であれば、デメリットですが、嫌な職場であれば、気軽に辞められるのは大きなメリットにもなります。

派遣のデメリット2:人間関係が築きにくい場合がある

派遣社員は飲み会などの会社の交流会に呼ばれない場合があったりと、直接雇用の人と比べると仕事外で人間関係が築きにくいケースがあるようです。
 
主婦の方は残業や飲み会が難しい人も多いと思うので、そこは割り切ってしまうのもありです。逆にドライな人間関係で助かるという方もいますよね。もちろん、派遣でも歓迎会を開いてくれたりと、職場によって異なります。

このtweetのように、一人で黙々やりたい人には、むしろメリットにもなりますね。

パートとして働くメリット・デメリットは?主婦も嬉しい!

パートとして働くメリット・デメリット

次に、パートとして働く場合のがメリットやデメリットを詳しく見てきましょう。

パートとして働くメリット1:自分の都合に合わせて働くことができる

パートはシフトが細かく設定されている場合が多く、週3日だけ、1日4時間だけなど、自分の都合に合わせて働くことができます。
 
また、希望が必ずしも通るわけではありませんが、この日は授業参観だから出れない、など日にちによって対応してもらえることができるので、家族の予定に合わせて柔軟な働き方を求める主婦の方には大きなメリットでしょう。

パートとして働くメリット2:未経験でもOKなところが多い

専門的なスキルで即戦力を期待される派遣に対して、パートの方が未経験者歓迎の求人が多くあります。
 
業種も接客や販売、事務など様々なものがあり、やってみたいなと思っていた仕事が未経験でもチャレンジできる可能性があります。

パートとして働くデメリット1:時給が派遣と比べると低い

一般的に派遣よりもパートの方が時給が低い場合が多いです。
 
ただし、専門的なスキルを必要とする仕事であれば、派遣社員と同程度の時給で働くことも可能です。

パートとして働くデメリット2:雑務が多い

派遣の場合は契約書で決められた内容が仕事内容になりますが、パートの場合は勤務先が雇用主なので、面接当初言われていたことにプラスして多岐にわたって指示されることも多いでしょう。
 
来客応対やほかの社員のサポートなど、多くの雑務をこなすようになる場合があります。

派遣とパートどちらが急な子供の風邪で休みやすい?

主婦が働くとなると、気になるのが急な休みは取れるのか?というところだと思います。
 
子供が体調を崩してしまったり、突然学校の予定が入ってしまったときなど、急遽休みを取らなくてはならないこともありますよね。
 
その場合、派遣とパートではどちらが急な休みに対応してもらいやすいのでしょうか?
 
答えは、直接雇用されているパートの方が、比較的休みなどの融通が効きやすいです。
面接の時点で子供がいるから急な休みをとるかもしれない、ということを事前に伝えておけば会社側も柔軟に対応してくれます。
 
即戦力を求められる派遣は、休みを言い出しにくい雰囲気の職場が多いです。また、あまり休みが多いと評価が下がってしまう可能性があります。
 
派遣であってもパートであっても、急な休みで職場に迷惑をかけてしまうのは一緒です。日頃から真面目に働く、他の人が急に休んでしまい出勤を頼まれた場合は快くOKする、など自分のできる範囲で人間関係を良好にしておくといいでしょう。

派遣とパートどっちがいいかは人それぞれ

派遣とパートどっちがいい?

上記で紹介した、派遣とパートの比較をざっくりとまとめると以下のようになります。

派遣 パート
雇用主 派遣会社 勤務先
雇用期間 一定期間ごとに更新 長期的
求められる業務 契約時に交わしたもの 求人時の業務+幅広い業務
福利厚生 派遣会社の福利厚生 勤務先の福利厚生
給料 高め それなり
休みやすさ 評価が下がる場合がある 比較的融通がきく
未経験OK パートより少ない 未経験歓迎なものが多い

 
このように派遣もパートもメリットデメリットがあるので、どちらが自分に合っているのかしっかり理解しておきましょう。
 
結論として派遣とパートとどちらがいいかというと、自分のやることが決まっていて残業も断りやすいのが派遣です。長期間同じ職場で働くことはできませんが、仕事とプライベートをしっかり分けたい方は派遣がオススメです。
 
パートは短時間や変則的な出勤を希望する方にオススメです。人間関係が築きやすく、急な休みにも対応してもらいやすいけれど、場合によっては残業をお願いされたり、飲み会のお誘いがあったりします。
 
もちろん休みやすさや人間関係は企業によって、大きく異なります。
 
派遣の場合は派遣会社に希望を伝えることができ、事前に勤務先のおおよその社風を知ることができますが、パートの場合は面接時に質問してみたり、自分の希望を伝えておくようにしましょう。

扶養控除制度って?

扶養控除制度とは、納税者に所得税法上の控除対象の扶養親族となる人がいる場合に、一定の金額の所得控除が受けられることをといいます。
 
簡単に言うと「養う家族の人数が多いとお金がたくさんがかるから、税金を減らしてあげますよ」という制度になります。
 
仕事をしていない妻や子どもと一緒に生活をしている場合は、妻と子どもは夫の扶養家族と定義づけられ、扶養控除制度が適応されます。
ただし、ある一定の範囲内であれば妻が仕事をして収入を得ても、同じように税金が控除されます。
 
これがよく聞く「〜万円の壁」という言葉で言われていて、この壁を超えないように金額を調整して働いている人が多いのです。

103万円 所得税の壁

年間の給与が103万円を超えなければ、妻の所得税も社会保険もかからず、年収103万円未満がまるまる手取りとなります
 
また、各企業の配偶者手当の条件も、配偶者の年収を103万円までとしているところが多いようです。

106万 社会保険円の壁

大手企業で働く場合、以下の「一定要件」を満たした人は、年収が106万円を超えると勤務先の社会保険に加入しなければならなくなります。

・従業員501人以上
・勤務時間が週20時間以上
・月額賃金8.8万円以上(年収106万円以上)
・勤務期間が1年以上の見込み

 
社会保険に加入すると、年間で10万円以上支払わなければいけなくなるので、手取りが大きく減り、収入によっては働き損になってしまう可能性があります。
 
同じ社会保険の130円の壁との違いは、加入できる社会保険が正社員と同様に、厚生年金などになることです。勤務先も保険料を半額負担してくれることから、自己負担額は130万円の壁に比べると軽くなり、手厚い保証を受けれる可能性があります。

130万円 社会保険の壁

年間の給与が130万円以上になると、夫の社会保険の扶養から外れます。
 
それにより妻の社会保険(健康保険や年金保険)に入り、自分で保険料を払わなくてはいけなくなります。保険料が発生することによって、手取りが一気に減り、収入によっては働き損になってしまう可能性があります。

150万円 配偶者控除の壁

妻の年間の給与が150万円以上になると、配偶者控除を受けられなくなってしまいます。
 
配偶者控除は、夫の収入によって最大38万円控除される制度です。(※夫の年収が1220万円以下の場合のみ)
 
このように主婦が働くにはたくさんの壁があります。
 
扶養範囲内で働くつもりだったのに、わずかに上限が超えてしまったばかりに、一気に負担が増えてしまった、なんてことにならないように扶養控除制度について理解し、日頃からきちんと計算しておくようにしましょう。

派遣とパートどちらが扶養内で働きやすい?

派遣とパート、どちらが扶養内で働きやすいかというとどちらかといえばパートでしょう。
 
なぜなら、パートは勤務日数、時間がフルタイムに比べ短く、家事の空いた時間で扶養内で収まるような給料を稼げるからです。給料がほかの雇用形態に比べ低い傾向がありますが、その反面所得の調整がしやすいといえるでしょう。
 
もちろん、派遣にも扶養内で働ける仕事はあります。「扶養内で働きたい」と派遣会社に希望すると、勤務日数や時間が短い仕事を派遣会社が選んでくれます。
 
ただし派遣はパートと比べて給料が高く、労働時間が長くなる傾向があるため、扶養内で働ける条件に合った仕事がパートほど多くない可能性があります。
 
以下の記事は、派遣で働く場合、時短や残業なし、扶養控除枠内で働けるなど主婦におすすめの派遣会社を紹介しています。

主婦におすすめの派遣会社5選!主婦は派遣はやめた方がいい?

このように派遣とパートでは雇用形態から働き方まで様々な違いがあることを分かっていただけたと思います。主婦が働くには派遣とパート、どちらが良いのか?は人それぞれです。
 
それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分は何を優先したいか、どんな働き方をしたいかを見つめ直した上で決めましょう。

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この記事の執筆者

noriko

大学卒業後、商社に正社員で就職。退職後は派遣社員として営業事務や一般事務などの事務職を中心に、大手会社や財団法人に就業。派遣業務を過去8年間従事した。イベント関連などの短期派遣の経験もあり。登録済みの派遣会社はスタッフサービスなど大手を中心に10社以上。プライベートと仕事の両立のために派遣という働き方を選択していた。