養育費の相場は?母子家庭(シングルマザー)の養育費の平均や慰謝料は?

母子家庭の養育費受給額の平均は?
最終更新日 2024/1/31

 
企画・執筆・編集者:興信所探偵ナビ 編集部
 

離婚後の養育費の相場はいくら?母子家庭・父子家庭毎にチェック!

平成23年と平成28年の母子家庭の養育費受給状況比較

母子家庭の父親からの養育費の受給状況(平成23年)
母子家庭の父親からの養育費の受給状況(平成28年)
 

平成23年と平成28年の父子家庭の養育費受給状況比較

父子家庭の母親からの養育費の受給状況(平成23年)
父子家庭の母親からの養育費の受給状況(平成28年)  
離婚後の養育費の相場は、平成28年度の厚生労働省のデータによると、母子世帯の平均が43,707円。父子世帯の平均が32,550円です。
 

離婚後の養育費の相場のまとめ


母子世帯の金額と受給割合 父子世帯の金額と受給割合
平成23年 43,482円 (35.5%) 32,238円 (7.0%)
平成28年 43,707円 (39.8%) 32,550円 (8.1%)
養育費の平均額というのが、おおよそそれほど変わらないのは、養育費自体が、東京・大阪の家庭裁判所所属の裁判官の司法研究で作成された「標準的な養育費・婚姻費用の額を簡易迅速に算定するための標準算定方式・算定表」を基準にしているからです。

養育費算定表とは?

 
この養育費算定表では、例えば、「子供の年齢、人数、双方の年収、給与所得者または自営業」といった条件をもとに、養育費がまとめられています。

現在この算定表が参考資料として養育費について広く活用されています。

平成28年のシングルマザーの子供の数による養育費平均


子供の人数 1世帯の平均養育費
1人 38,207円
2人 48,090円
3人 57,739円
4人 68,000円
 

平成28年の父子家庭の子供の数による養育費平均


子供の人数 1世帯の平均養育費
1人 29,375円
2人 32,222円
3人 42,000円
4人
 

養育費を払わない方法や減額できるケース

養育費を拒否できたり、減額される条件について説明します。

義務者は基本的に未成熟者に対して養育費を払わなくてはいけません。ですが、一定の条件を満たせば養育費を拒否できたり、減額を求めることができます。

養育費を払わなくてよくなる3つのケース

養育費を支払わなくて良い3つのケース基本的に、民法877条1項に「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」とあります。これが、子供の養育費を払うことの根拠条文となっているのですが、これだけでは具体的にどれくらい払うのか、払わなくても良いケースはないか?など具体的な程度や様々な複雑なケースの対処方法はわかりません。

知っておきたい重要なことは、民法877条1項については、「自分の生活をした上で余力のある範囲で扶養する義務がある」というふうに解釈されています。

つまり、養育費を支払わなくてもいい代表的な例が上の図となっております。以下で詳しく説明します。

権利者が再婚して養子縁組をした

養育費の権利者(受取る側)が再婚して、新しい夫と子供を養子縁組(血縁関係とは無関係に人為的に親子関係を発生)を結んだとします。再婚相手に子供を養う十分な経済力がある場合は義務者が養育費を拒否できる場合があります。

ただし、絶対に養育費を払わなくてよいという条件ではなく、減額にしかならない場合もあります。

無収入になったり生活保護を受けている

義務者(支払う側)が無収入の場合は、養育費は限りなくゼロになります。但し、働く能力や働ける場所もあるのに働かない場合は、平均賃金ベースで養育費を決めることがあります。

同じく生活保護を受けてる状態の場合でも、養育費の支払いを拒否できる場合があります。

子供の成人や結婚

養育費は基本的に未成年者に対して適用されます。よって、子供が成人(20歳)したら養育費の支払義務はなくなります。

但し、最初に調停などで子供が22歳(大学卒業等)までとあらかじめ決めていた場合は、子供が22歳になるまで養育費を支払う必要があります。

養育費が減額される3つのケース

養育費が減額される3つのケース養育費が減額される代表的な条件は上に記載の通りです。

一つ一つ見てみましょう。

義務者の収入が減った

義務者(支払う側)の予測できない事情(病気、リストラなど)により収入が下がった場合は、養育費の減額を求めることができます。

義務者が予測できない事情がないのに転職して収入が減った場合は、養育費の減額を求めることができるとは限りません。

権利者の収入が増えた

権利者(受取る側)の収入が増えた場合は養育費の減額を求めることができます。

権利者が再婚して養子縁組をすれば新しい夫の収入が増えます。その場合でも権利者の収入が増えたことになります。

義務者が再婚して妻や子供ができた

義務者(支払う側)が再婚して、新しい妻との間に子供ができた場合は、妻や子供の扶養義務が発生しますので、養育費の減額を求めることができます。

また、新しい妻に子供がいて養子縁組をしたら、その子供の扶養義務が発生しますので養育費の減額を求めることができます。

離婚で請求できる慰謝料の相場は?年収が高くなると慰謝料は多くなる?

慰謝料は離婚の原因を作った配偶者(夫または妻)に請求できるものですが、必ず請求できるというわけではありません。

慰謝料は「不貞行為(相手の浮気・不倫)や悪意の遺棄(生活費を入れない、働かない等)、精神的虐待や暴力」があった場合に請求できます。

逆に「性格の不一致、親族との不仲、双方に責任がある」場合などの理由では、慰謝料を請求できません。

慰謝料の相場

代表的な慰謝料の相場は下表を参考にしてください。

慰謝料請求の理由 慰謝料額
不貞行為(浮気や不倫) 100~500万
悪意の遺棄(働かない・生活費入れない) 50~300万
精神的虐待や暴力(DV) 50~500万

離婚時の慰謝料の相場は大きな幅があります。確実に慰謝料を受取るには、不当な金額を請求するよりも確実に受け取れる金額を算定した方がよいと言われています。

慰謝料は、「精神的苦痛の大きさやその期間、支払う側の年収や資産、社会的立場」によって、請求できる金額が変わってきます。

日本の離婚の90%は協議離婚(夫婦間のみで話しあう)なので、協議離婚での慰謝料データはありません。協議離婚で話に折り合いがつかない場合は、離婚調停(家庭裁判所の調停手続を利用)を行います。

それでも話がまとまらない場合は、離婚訴訟して離婚裁判することになります。その、裁判離婚のデータでは200~300万円のケースが多いようです。

慰謝料は年収に比例して多くなる?

慰謝料は精神的苦痛に対する請求です。年収は一要素として慰謝料算出に加味されますが、必ず年収が高ければ高額な慰謝料が請求できるというわけではありません。

例えば、有名人の高額慰謝料が公表されていますが、実際には財産分与を含んだ金額であることが多いようです。

慰謝料は配偶者の浮気相手にも請求できる?

慰謝料は夫や妻に対してだけでなく、肉体関係を持った浮気相手にも請求することができます。

但し、浮気相手が夫や妻のことを既婚者と知っていたことが条件です。既婚者と知らなかったり、元夫や妻が不倫相手に既婚者であることを隠していた場合は慰謝料を請求することができません。

精神的苦痛に対して慰謝料請求を有利にするには?

仮に離婚裁判になった場合、証拠があると慰謝料請求が有利になります。不倫なら、証拠となる写真やメール、通話内容など。暴力を受けていなら病院の診断書などが証拠となります。

また、相手の証拠だけでなく、不倫や暴力を受けた時の詳細な記録(日付や時間や内容)も証拠となります。

まとめ

養育費と慰謝料の相場 まとめ養育費は「養育費算定表」を基準にして算出されることが多くなってきいることをお伝えしました。

養育費算定表では双方の年収(総支給額)と子供の人数、年齢によって養育費の額が決められています。

年収に対して養育費が多くなるケースと、少なるなるケースは次のとおりです。

・義務者(支払う側)の年収が高いと養育費は多くなる
・権利者(受取る側)の年収が低いと養育費は多くなる
・義務者(支払う側)の年収が低いと養育費は少なくなる
・権利者(受取る側)の年収が高いと養育費は少なくなる

中には養育費を払いたくないと思っている方がいるかもしれません。しかし「養育費を払わない方法」というのは基本的にありません。養育費は子供が成人または結婚するまでは払う必要があります。

ただし、全国ひとり親世帯等調査結果報告の平成23年の調査では、母子家庭の60.7%が養育費を受けたことがなく、平成28年の調査でも、56%が養育費を受給していないという実例があり、社会問題にもなっています。

養育費は、拒否できたり、減額できる場合もあります。

養育費を拒否できる場合があるケースは、以下の通りです。

・無収入
・生活保護を受けている
・権利者(受取る側)が再婚して養子縁組をして十分な経済力がある

養育費を減額できる場合があるケースは、以下の通りです。

・予測できない事情により義務者(支払う方)の収入が減少
・権利者(受取る側)の収入が増えた
・義務者(支払う側)が再婚して新しい妻の子供と養子縁組をした
・義務者(支払う側)に新しい妻との子供ができた

養育費だけでなく、離婚したら慰謝料を請求できる場合があります。逆に慰謝料を請求できない場合もあります。

離婚の慰謝料が請求できるのは、以下の通りです。

・不貞行為(配偶者以外の異性と自由意志で肉体関係を持つ)
・悪意の遺棄(生活費を入れない、働かない等)
・精神的虐待
・暴力(DV)

離婚の慰謝料が請求できないのは、以下の通りです。

・性格の不一致
・親族との不仲
・双方に責任がある

裁判離婚の慰謝料平均額は200万~300万ですが、日本の離婚は協議離婚(夫婦での話し合いのみ)が90%を占めており、協議離婚での慰謝料平均額のデータはありません。

また、慰謝料は基本的に精神的苦痛の度合いにより額を算出します。年収も一要因として加味されますが、決して比例するものではありません。

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この記事の執筆者

興信所探偵ナビ編集部

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